フランス革命の道31-扇動者デムーラン

さてパレ・ロワイヤルは騒がしい。その中に26歳のカミーユ・デムーランというアジテーターがここぞとばかりに雄弁を発揮し「武器を取れ!自由か死を」と演説し、6千人がヴァンドーム広場(現在コンコルド広場)に向かって行進を始めた。デムーランはこれで有名になって革命の主役の一人に踊り出る。

国王軍は「解散せよ」と脅しもみ合いになった。そこへ民衆派の衛兵隊がやってきて、国王軍を追い出してしまうのだ。民衆は「武器を!」と叫び、銃砲店などから武器を調達、さらに憎悪の対象となっていた徴税人組合が襲われ、食料品店、修道院も略奪にあった。

1789年7月13日、国民議会の数人の議員が市庁舎で会議し、「市民軍」をつくることにした。この市民軍はとりあえずパリの紀章赤青のマークをつけた。やがてこれが三色旗になる。そしてさらなる武器を求めて、当時軍人の病院だった廃兵院へ行進するのである。

8万ともいわせる市民が廃兵院を取り囲み、押し問答のあげく院の中に突入を敢行する。ここで3万丁のマスケット銃が押収され、大砲も奪取した。もはや怖い物なしの市民軍は、今度は弾薬を取りに行く。それはどこにあるのか、そうだバスティーユ監獄にあるだろう。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。