カロンヌの後に財政国務会議議長として財政再建を託されたのはトゥールーズ大司教ロメニー・ド・ブリエンヌだった。しかしもう利子だけで歳出の半分を占めているという状態。ブリエンヌは宰相になって、王室財政に思い切った削減の鉈をふるい、王の鷹狩りの費用さえ削減した。
しかし貴族達の最後の砦は高等法院だった。高等法院は、新税の登録を拒否した。そのため印紙税は大衆課税だと世論に訴えた。司法大臣ラモワニョンは、全国裁判所を設立し、高等法院の機能を大幅に制限することにした。ところがこの勅令は最後に、各地の高等法院に登録しなければならない。
各地の高等法院は署名を強制させられ、解散させられた。しかし1788年6月17日、グルノーブルで高等法院が解散させられるとき、市民の暴動が起こった。人々は、屋根にのぼって瓦を投げて軍を追い払ったのである。この日は「屋根瓦の日」と呼ばれるようになる。
高等法院メンバーは力を取り戻し、新税を承認するには全国三部会が必要と叫んだ。ルイ16世は、この暴動が全国に拡大することを恐れ、8月8日、翌89年5月1日に、全国三部会が開催されることを決めた。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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