黒人奴隷4-アメージンググレース誕生

1772年一つの歌ができた「アメージンググレース」作ったのは、ジョン・ニュートンという奴隷船の船長あがりの牧師である。父も船乗りだったが、母は息子を牧師にしたかったという。彼は父の後を継いで船乗りになり、1748年23歳で一等航海士として奴隷船に乗り込んだ。

翌50年に、船長として航海に出た。アフリカで156人の奴隷を売買したが、そのうち10人は病死して海に投げ捨てられた。この航海で、彼は275ポンドの大金を稼いだ。その後も奴隷船の航海を続けるが、厳しい航海のストレスに悩み、55年陸に戻り、税務署の職員となった。

彼は、あのアメリカに大覚醒をもたらしたホイットフィールドなどの影響を受け、牧師をめざすことになった。そして苦労しながら、64年38歳で、オウルニイの副牧師となった。この集会での祈りのためにつくった「オウルニイの讃美歌集」に収録された歌がアメージンググレイスである。

彼の最初の信仰体験は、22歳のとき浸水で船が沈没しそうになったときに神に祈って救われたことだという。79年にロンドンの教会に牧師として赴任し、奴隷貿易反対運動にかかわるようになる。彼は相談に来たウィルバーフォースに神のために政治をするよう助言し、ウィルバーフォースは奴隷貿易反対のリーダーとなる。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。