大王対女帝14-普墺2つの宮殿建設

ヨーロッパにつかの間の平和が訪れた。フリードリヒ2世は、「もう流血はこりごり」と言って、自国防衛以外は他国に攻め込まない、と言った。しかし欧州諸国は自分に偏見を持っていて、それが思わぬ結果をもたらす可能性がある、と危惧している。

そのためかはわからないが、王はサンスーシ宮殿で文化を振興する。この宮殿は夏の離宮として戦争中にわずか2年で建設された東西100mのこじんまりとしたロココ風宮殿である。ここには音楽室があり、ここで普王は、音楽やオペラも楽しんだ。サン・スーシとは「憂い無し」という意味である。そしてヴォルテールをも呼びよせる。

一方のオーストリアのシェーンブルン宮殿は1750年頃完成した。縦横ともサンスーシの倍の規模がある。実はレオポルド1世は、ヴェルサイユ宮殿を凌ぐ規模を考えたのだが、とてもその財力はなく、テレジアは大幅に縮小した。外観はバロック様式だが、部屋はロココである。

女王マリアは、ハウクヴィッツを登用して、中央集権化を行う。それまで貴族には税金はかけられず、30年戦争も、貴族は皇帝の要請で自分持ちで行ったのだ。マリアは、各州に分担金をかけ、王と官僚が指導する、中央集権国家を作ろうとした。そしてダウン将軍が軍事改革を行う、シュレージエン奪還のために。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。