大王対女帝4-オーストリア最大領土

括弧つきスペイン王だったカール6世は故国に戻り王となり、ついでに神聖ローマ皇帝となった。この頃は皇帝など名ばかりで、ヴォルテールは「神聖でもローマでも帝国でもない」と皮肉っている。30年戦争の失敗で、帝国はもはや連合国家となった。

代わって帝国となったのはオーストリアである。墺領ハンガリーでは1703年トランシルヴァニア公ラーコツィの独立戦争が起こっていた。これはフランスが支援していたが、スペイン継承戦争終了の取引で、フランスは支援を打ち切り、ラーコツィはポーランドに亡命して反乱は終わった。

1716年には、アメフト3世のもとで第二次ウィーン包囲以来の攻勢に出ていたオスマンとの間で墺土戦争が勃発する。ここで司令官となったのが、当時下ネーデルランド総督となっていた英雄オイゲン公である。オスマンは15万、オーストリアは8万だったが、ペールヴァるシュタインの戦いで勝利。

17年にはベオグラード包囲戦にも勝利して、公の活躍でセルヴィアを得てバルカン半島に進出。オーストリアは最大の領土を達成するのである。オイゲン公ことオイゲン・フォン・ザヴァイエンは、後にナポレオンがハンニバルらと共に世界歴代7名将として評価している。

下はウィーンのオイゲン公騎馬像

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。