サロンの女王1-太陽王遂に没する

1715年9月11日遂に太陽王ルイが崩御「可能な限り戦争を避けるよう。・・・余の悪しき前例を真似てはならない。しばしば余は、あまりにも軽々しく戦争を始め、虚栄心のゆえに戦争を長引かせた。余を真似てはならない。平和を愛する国王となるよう、臣民の苦しみを和らげるよう専念してほしい」と最後に遺言した。

幼いルイ15世の摂政会議筆頭になったのは前王の甥オルレアン公フィリップ2世である。彼はその言葉に従い、戦争を避け、平和な時代を実現した。摂政公は、まず財政再建を行い、大国となったイギリスと協調路線を取り、交流を行う。しかしこれはイギリスの革命後の政治を持ち込むことでもあった。

財政再建については、スコットランドの銀行家ジョン・ローを起用し、改革に取り組んだ。ローはフランス銀行を創設、また海外貿易を統括するミシシッピ会社を設立した。1718年にはニューオリンズができ、仏国債をこの会社の株式に転換できるようにした。

人々はこぞってミシシッピ会社の株を購入し、バブルが発生した。国債は減って王室財政は好転、景気は拡大し、人々は繁栄を享受する。ところがこの株の配当は、銀行券の大量発行でまかなわれていたのである。しかし20年5月にバブルが崩壊すると、取り付け騒ぎが起こり、フランス革命の遠因となった。

下はルイ14世の死予告編

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。