新世界より8-アン女王戦争

スペイン継承戦争の間アメリカでは「アン女王戦争」が起こっている。イギリスはスペイン領のフロリダを攻撃した。これはイギリスと連合する先住民ヤマシー族やクリーク族が、スペインと友好的なアパラチー族を攻撃、処刑し、結局先住民人口は激減した。

北部では、イギリスのニューイングランド植民地が、フランス植民地を先住民を巻き込んで攻撃した。ケベックを攻撃しようとしたが、逆に侵入される激しい戦いとなった。ニューファンドランド島を巡っても戦い、1712年のユトレヒト条約でイギリスは、ハドソン湾地域とニューファンドランドを獲得した。

アン女王は1702年に即位し、友人サラの夫マールバラ公を司令官にしたが、これがあたってフランスに勝利を重ねた。女王はその褒章として6万平方キロの巨大なプレナム宮殿を建設させた。しかし戦争が長引くにつれ、権力を増したサラを疎み、10年サラは宮廷追放、夫は軍資金横領疑惑で失脚した。

また1707年、イングランドとスコットランド合同法が成立し、アンはグレートブリテン王国の初代国王となった。女王は酒を愛し、赫赫たる成果の割には政治にかかわらず、1714年酒がもとの脳出血で崩御した。子供が皆死去していたため、スチュアート朝は断絶し、ハノーファー侯ジョージが即位した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。