バロックの時代31-楽器の女王ピアノ誕生

1709年、楽器の女王ピアノが誕生した。作ったのはやっぱりイタリアでバルトロメオ・クリストーフォリであり、正式名称を「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音と強音つきのチェンバロ)」これが縮んで「ピアノ」となったが、略号のPfピアノフォルテのほうがまだ意味が通る。

鍵盤を押す強さによってピアノにもなればフォルテにもなるというのがこの楽器の特徴である。しかし当時はチェンバロやクラヴィコードが主力で、なんとヴォルテールでさえ「ボイラー業者の楽器」と酷評している。18世紀半ばベートーヴェンの時代に技術革新が進んで使えるようになった。

当時の楽器の王というのは何と言ってもパイプオルガンである。多段鍵盤に足鍵盤、左右のストップで、多彩で大きな音を出すことができた。しかし大きいので教会に備え付け。このため専属のオルガン奏者が居て、非常に権威をもつことができたのである。

特に北ドイツでは、ルター派教会が競ってパイプオルガンを導入し、巨大化がすすんだ。プロテスタントといえば質素な教会が建て前だが、実際はカトリック教会をそのまま使ってるところも多い。そのため巨大パイプオルガンが入ったのだろう。イタリアではコンチェルトの方に行き、巨大化はすすまなかったようだ。

下はクリストーフォリのピアノの演奏

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