1711年の神聖ローマ皇帝カール6世が誕生し、今度はハプスブルク大帝国ができる懸念が各国に広がる。また英国司令官マールバラ公が失脚して罷免された。英国軍は帰国し、帝国側のオイゲン公は苦境に立たされ、7月24日のドゥナの戦いで敗北した。またスペイン内戦も反仏同盟に見捨てられて、フェリペ5世が勝利した。
1713年ユトレヒト条約が締結され、フェリペ5世はフランス継承権を放棄することで、国王就任が認められた。スペインは、オーストリアに、ミラノ、下ネーデルランド、ナポリを割譲、サヴォイア王国にシチリアを渡した。ヨーロッパでのスペインの栄光は終わりを告げ、かわってオーストリアが繁栄をすることになる。
ルイ太陽王すでに70歳、もはや落日も近い。フランス民衆は疲弊しきっており、「(革命した)イギリス人を見習え」という不吉が歌が流行るようになった。王室財政も破綻していたし、新大陸でもイギリスに植民地を奪われた。
さらに、1711年ルイ王太子が死去、その後ブルゴーニュ公、ブルターニュ公と、王位継承者が次々と死んでいく。民衆は天罰と思わないわけがない。結局残ったのは1710年生まれのアンジュー公ルイだけになってしまう。ルイは後継者に摂政会議をつくった。絶対王政は一代だけで終わった。が、太陽王の遺産は子孫を苦しめる。
下はフェリペ5世のスペイン王承認
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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