1683年7月30日ルイ14世王妃マリー・テレーズ・ドートリッシュは逝去した。太陽王とは3男3女を得たが、ルイは愛人のほうに気をよせ、最後に知らされるのが王妃だった。王は、ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエールの後、モンテスパン公爵夫人を愛人とした。
モンテスパン夫人とはまるで不倫だったが、王は高等法院に離婚を認めさせ、堂々とつきあうようになり、彼女の権力は絶頂に達し王妃然とふるまった。しかし79年悪魔崇拝で呪いを行う「黒ミサ」事件があり、多くの貴族が名前をつらね、その中にモンテスパン夫人があって、彼女は失脚する。
80年から愛人となったのがマントノン侯爵夫人である。彼女は夫に死に別れており、王妃死後ルイと秘密結婚をするほどの仲である。彼女は理知的で敬虔な婦人であり、なんとルイに王妃を尊重するよう助言したという。王妃もこの時期ほどよく扱われたことはないと言っている。
マントノン夫人の影響で、ルイは豪奢な現世生活から次第に来世に関心を向かわせるようになり、新しい部屋には宗教画が飾られた。太陽王のフォンテンブロー勅令も、このルイの宗教心が影響しているといわれているが、マントノン夫人の直接的影響ではないようだ。
下は邦題「ルイ14世の秘密の王妃マダム・ド・マントノン」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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