1685年太陽王ルイは、ナント勅令を破棄し、新教(ユグノー)を禁止した。これには、「聖心信心」に象徴されるフランスカトリックの再興が影響している。愛人ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエールに象徴されるように、宮廷の腐敗を聖職者は非難した。その政治的取引がカトリック統一である。
またこれは絶対王政とも関連している。教会の洗礼者名簿はこの時代戸籍名簿である。ルイ14世の30万人という最大の陸軍を徴兵するには、それをする戸籍名簿が必要だったのだ。これから漏れるユグノーは、兵役免除も同然だったのだ。もちろん戦争には思想的統一が肝要だ。
すでに79年からはユグノーの公職や組合追放、教会の制限と破壊が組織的に行われた。「ドラゴナード」という、竜騎兵をユグノーの家にわざと泊める制度も実施され、その家では兵士により改宗が迫られた。
ナント勅令を廃棄したフォンテーヌブロー勅令は、ユグノーの国外亡命が禁止された。が、ユグノー達は非合法に、オランダなどに亡命、その数20万人ともいわれ、職人が多かったため、フランス経済は打撃を受けた。またこの勅令は、今まで同盟していた新教諸国をも敵にすることになり、暮れにさしかかる太陽王は新たな戦いへとつき進む。
下は「ナント勅令撤回のアレゴリー
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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