太陽王11-ヴェルサイユの聖女にして寵姫

この時代のフランスカトリックの再興と、絶対王政の宮廷の中を生きた女性が居る。ヴェルサイユの聖女といわれるルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール、太陽王ルイ14世の愛人にして後にカルメル会修道女となった女性である。彼女は1661年17歳で王の初めての真剣な愛を受け入れ、王の最初の寵姫となった。

ところがこの時王妃マリー・テレーズは妊娠中だった。敬虔な彼女は罪の意識におののき、ますます王に頼ろうとする。しかし62年2月、ついに彼女は王とのちょっとした仲違いで修道院に逃げ込む。ところが王は追いかけてわずか一日で連れ戻す。この事件ですっかり彼女は有名になった。

名説教家ジャック=ベニーニュ・ボシェはこの事件の2日後、宮廷の堕落を憤り、「神の怒りが王家に落ちる」と不吉な予言をしてますますルイーズを不安にさせる。63年以後彼女は4人の王の庶子を生み、彼女は貴族になり、領地を持つ身分となった。

王に逆らうのは得策ではないカトリックは目標をルイーズに定める。彼らに感化されてますますルイーズは悩むようになる。そして王は次の愛人モンテスパン夫人ができる。71年、たまらずルイーズは二回目の修道院へ逃避するがまた連れ戻される、幽閉先はヴェルサイユだった。何と彼女の力になったのは、王妃マリー。王妃の力でヴェルサイユにルイーズの改悛室が作られ、彼女は棺の中で髑髏と共に寝た。75年6月4日、カトリックは大々的セレモニーで王妃より修道衣を受け、その後36年安らかに生きた。

下は修道院から連れ戻される、太陽王ルイ14世の愛人にして後にカルメル会修道女とな

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。