太陽王10-ヴェルサイユ宮廷の創造

オランダ戦争は、ルイ14世の威信を欧州中に広めた。ハプスブルクに代わる大国の登場である。イケイケの王は、欧州覇権をめざすと共に、自分の時代の象徴を欲する。1668年ヴェルサイユ宮殿の建設を開始する。そしてここに政府機能を移してしまうのである。

強国の王が自分の都を欲しがるのは信長の安土城を見てもわかる。要するに京都やパリでは、従来の貴族がうるさいのである。そしてこの宮廷で極めて細かな宮廷の作法が作られる、それは江戸城文化のようなものだ。徳川幕府のように、宮廷は莫大な経費を使い、フランス革命の一因ともなるわけだ。

ルイ14世が太陽王と呼ばれたのは、バレエでアポロンの役をやったからということだが、彼はアポロンが好きだったようで、計画ではアポロンの間が中心に置かれた。この部屋では王は太陽のように、国民に恩恵を降らせるという絵画が飾られている。

このように、太陽王の時代、芸術は、王の権威を広めるために積極的利用された。さらにパリは民衆の町として王の威信を讃える建築がなされた。中世的城壁が取り払われ、サンドニ門、サンマルタン門という凱旋門、さらにヴァンドーム広場がつくられ、騎馬像が設置された。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。