黒人奴隷2-英国紅茶の砂糖は奴隷の手で

1672年イギリスの奴隷貿易会社「王立アフリカ会社」が設立された。それまでも王立アフリカ冒険商人会社があったが、英蘭戦争で倒産してしまい、再設立されたのである。王立とはいうものの、貴族や商人らによって出資された会社であり、出資者にはジョン・ロックも名を連ねている。

ともかく王立の肩書のもとで、この会社は奴隷貿易を独占できた。アフリカの部族国家に武器や工業製品を輸出し、17世紀末までに約10万人のアフリカ奴隷をアメリカに連れていき、アメリカからは砂糖、原綿、タバコなどを本国にもちかえった、三角貿易である。

英国の拠点はやはり黄金海岸現在はガーナのケープ・コースト城塞で、つくったのはスウェーデンだが、デンマークが奪い、最後にイギリスが奪った。ガーナは内陸部のアシャンティ王国が支配していたが、イギリスの支援で他部族と戦争して支配地を広げるが、最後にイギリスの植民地となる。

この奴隷貿易で砂糖が安くイギリスに入るようになった。茶を宮廷に持ち込んだのはポルトガルからチャールズ2世妃となったキャサリンだが、アン女王の時代に宮廷に喫茶の習慣ができて紅茶がイギリスに広まるようになる。優雅な習慣も残酷な制度によっていた、現在コーヒーもそんなもんだが。

下はケープコースト城塞

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。