太陽王7-ネーデルランド継承戦争開始

フェリペ4世は息子が早死にしてしまうが、何と1661年王56歳のときに嫡子が生まれた。この子をスペインの未来を託して、偉大な皇帝の名を冠しカルロスと名付けた。そして65年わずか4歳で王となるが、当然母マリア・アナが摂政となった。しかし王はハプスブルク近親結婚の結果病弱だった。

一方血気盛んな24歳の仏王ルイ14世、スペインから嫁いだ王妃マリー・テレーズの持参金が未払いを理由に、本国へはしないが、あっさりなんと嫁の領土継承権を主張してスペインが統治する下ネーデルランドに侵攻する。「ネーデルランド継承戦争」の開始である。

フランスは軍制改革の成果が出ており、7万の侵攻軍は次々に都市を奪取していった。大都市リール包囲戦にはルイ14世自ら参戦、下ネーデルランドはフランスの手に帰すかと思われた。しかしこれで危機感を抱いたのはオランダだった。オランダは第二次英蘭戦争の真っ最中。

ルイは、あらかじめオランダと同盟を組み、イギリスに宣戦していたが、オランダはイギリスと講和し、スウェーデンも入れた3国同盟を結成し、フランスに圧力をかけた。このためフランスは幾つかの都市を返還せざるを得なくなり、衰退していくスペインに変わり新たな敵が生まれるのである。

下はリール包囲戦のルイ14世

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。