30年戦争13-ヴァレンシュタイン暗殺

グスタフ・アドルフは死んだが戦争は続く。1633年11月、未だドイツ内に居るスウェーデン軍傭兵隊長ベルンハルトがバイエルン領内に侵攻。皇帝フェルディナンドは、総司令官ヴァレンシュタインに直ちに反撃を命令したが、くだんの者はボヘミアを動かない。バイエルン公はカンカンで罷免を要請した。

ヴァレンシュタインのもとには4万5千の兵力がある。「英雄たちの選択」でなぜやってくれないのか?心理は微妙である。皇帝に選帝侯の約束はさせたものの、約束は一度破られている。彼は平和条約締結権も持っている。フランスや新教と和睦して自分の領土を勝ち取るか?

ヴェートーベン交響曲9番で有名な劇作家シラーは、彼の戯曲を書いた。子飼いの傭兵達はヴァレンシュタインの独立を求める。そして将校達を宴会に招いて、皇帝ではなく司令官への全面的忠誠を誓わせた。しかしその中には皇帝のお目付けも居たし、軍も完全に自分の軍ではなかった。

34年1月、皇帝はヴァレンシュタイン罷免に署名し、逮捕又は暗殺命令を出した。劇作では、ヴァレンシュタインはスウェーデン軍を招きいれようとするが、その前に皇帝派将校によって暗殺される。ドイツ版チェーザレといえようか、乱世の奸雄の悲劇である。ちなみにドイツのヴァレンシュタイン研究所は3千もある。

下は現代版のシラーのヴァレンシュタイン

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。