日本宣教20-朝鮮侵攻の開始

1592年5月24日、天下を統一した秀吉の朝鮮侵攻が開始された。この遠征は明の支配を目的としたと一般には理解されているが、実は構想としてはもっと壮大で、インドやスペフィリピンのスペイン植民地も侵攻し、ある意味「大東亜共栄圏」をつくろうとするもので、フィリピン総督にも勧告を送っている。

ところが日本の航海技術たるや、何と羅針盤はおろか、陸に沿って行くだけの技術しかなく、ポルトガルとケンカしてしまったので、朝鮮ルートをとるしかなかったのである。小西行長らは朝鮮が服従したと装ったが、結局チグハグとなり、朝鮮に出兵することとなった。

出兵した兵は約15万8千人だが、一番隊大将はキリシタンの小西行長以下九州のキリシタン諸将が多い。秀吉は、朝鮮へのキリスト教布教を認め、そのエサで釣ったわけである。そして小西の隣国にキリスト教嫌いの加藤清正を配置し、互いに争わせた。

当時世界最高の鉄砲を持つ日本軍との兵力差は比較にならず、まず釜山から半月で首都漢城を陥落させた。朝鮮兵は降伏せず、虐殺戦が行われた。当時のカトリックでもキリスト教のために戦うことは認められている。6月には明との国境の平壌を占領する勢いだった。

下は「釜山鎮殉節図」部分

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。