十字軍後5-エドワード1世模範議会

イングランドのエドワードは身長190㎝あったようで、そのノッポぶりから「長脛王Longshanks」と呼ばれる。ヘンリー3世が亡くなった1272年彼は十字軍でアサシンに暗殺されるところだった。故国へ帰る前にまずパリでこれも親戚のフィリップ3世に臣従の礼をとって、フランスの領地ガスコーニュで顔見世を行い、74年8月に帰国し、エドワード1世として即位した。

彼は、シモンの乱で父と共に捕えられた経験があり、父王の時代から議会対策を行ってきた。すでに議会メンバーとは懇意であり、さっそく議会を招集して政治を諮問した。彼は議会の力を利用して貴族の力を抑え、王権を強化した。オックスフォードやケンブリッジ出身の法学者も登用し、議会対策に努めた。

彼はまた、国家評議会や、宮内符行政機構を確立させて、行政府を充実させ、貴族からの中央集権を図った。ここで行政機構と議会が共に行政を担う権力分立の原型ができたといっていいだろう。

しかし、彼が議会に相談をかけたの意図は、税金のためであった。なぜ税金かというと、またもや戦争である。彼はイングランドの輸出製品である羊毛に関税をかけて、税金を確保。また騎士を積極的に叙任するかわりに、直接税をかけた。それでも足りないのでイタリア商人からも借りて、イタリア商人の要請でこれまで借りていたユダヤ人を国外追放してしまった。しかしこの戦争と共に彼は父と同様に議会と対立するようになっていく。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。