世界大戦への道29-ドイツ最後通牒

ドイツはさらにフランスにも最後通牒を送る、戦争が終わるまで中立でいること、その証にトゥールとヴェルダン要塞の鍵を渡すこと、まあ降伏要請に等しい。またルーマニアやギリシャ、オスマンにも自分の側で参戦するよう要請した。ところが同盟のはずのオーストリアはロシアへの備えをしていない。

セルビアに向かう準備をしている墺軍にドイツはロシアに向えと要請した、墺軍は仕方なく軍を2つに分けたがこれが緒戦の失敗につながった。8月6日にはドイツのロシア大使は、ロシア外相に「ドイツへの動員を止められないか」と問い、できないといわれると宣戦布告書を手渡した。

フランスでは7月30日に第二インターナショナルの大物で平和主義の代表者だったジョレスがアナーキストに暗殺された。8月1日フランス政府もドイツに総動員することを決めた。イギリスではイングランド銀行前に紙幣を金に替えようと行列が並び、株式市場は閉鎖された。

8月1日時点ではまだイギリス政府の態度は決まっていなかった。しかし2日、ベルギーの中立が侵犯されればイギリスも介入すると首相は決めた。しかしドイツはベルギーに最後通牒を送り、ドイツ軍の通行の自由を求めた。ベルギー国王も大臣も即座にこれを拒否した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。