世界大戦へ16-戦艦ポチョムキン

ロシアの敗北は国民にとって大変なショックだった。何せ皇帝は神の代理人であり、絶対だった。それが東洋の小国に敗北し、「お山の大将」でしかなかったとわかってしまったのだ。クリミア戦争の敗北以来、ロシアは中央アジアの部族やバルカンの介入しかやっていなかった。

6月27日映画で有名な戦艦ポチョムキンの反乱が起き、水兵が船を乗っ取った。そして入港したオデッサでも反乱と虐殺が起こる。農村では騒乱と焼き打ちが起こり、10月にはペテルスブルクとモスクワを繫ぐゼネストが起きた。軍隊まで反乱が広がってはもはやなまはんかなことでは収まらない。

10月30日、言論結社集会の自由と国会開設を認める「十月詔書」が発布された。騒乱は急速に収縮し、12月5日に行われたモスクワ蜂起には軍隊が出動してバリケードに砲撃を行い、千人あまりが殺害され、その後も厳しい取締りと鎮圧が行われた。

1906年2月から3月にかけて国会議員選挙が行われた。そして国会が開催され、国家基本法が制定された。だが「皇帝は無制限な専制君主」という文言から無制限だけ取り除かれただけだった。従来の国家評議会は上院となり、選挙で選ばれる議会はその下位でほとんど権限がなかった。その国会でもニコライ2世は敵対的で結局2カ月で解散となった

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。