第7回十字軍1-皇帝フェデリコ教皇を憤死

「モーゼ、キリスト、ムハンマドは世界の三大サギ師である」とフリードリヒ2世こと皇帝フェデリコが言ったというのは16世紀のデマらしい。が、さもあらんというところがある破門されても屁とも思わない。そこで教皇グレゴリウス9世はついに皇帝廃位の公会議を開催する。

廃位に対抗するには自分とこの司教を欠席させて逆公会議をやるという手があるが、フェデリコはキリスト教にツテがない。それどころか強硬手段をとる。1241年5月3日、ジェノヴァから出航した高位聖職者400人を乗せた30隻を、シチリア海軍が拿捕してしまったのだ。

同時にフェデリコは、遂に教皇領に軍をすすめる。8月10日にはローマ近郊のティベリに到着、アンチクリストの到来に、ローマ市民はパニックに陥った。ところが8月22日、教皇の崩御がヴァチカンから発表されたのである。思えばカノッサの屈辱のグレゴリウス7世も最後は憤死である。

フェデリコは軍を返した。ローマを占領して自分の息のかかった教皇を選ばせる手をとらなかったのが、政教分離をしたい彼らしいといえば彼らしいが。しかし結局選ばれたインノケンティウス4世は、またまた皇帝と対立する。そして聖地では異常事態が発生した。

下はメロリアでの聖職者拿捕

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。