第6回十字軍17-聖王ルイに嫁姑戦争勃発

1234年にルイ9世は20歳となり、母ブランシュは摂政の任を解かれた。母はあちこち不和だらけのフランスを、色仕掛けも使いながら、8年間も守り抜いた、時には自ら戦争に赴いたこともあったようだ。王の親政開始と同時に反乱の類はあきらめたのか激減した。

政治の舞台から降りた母は嫁探し。やはり王の支配を安定させるには南は欠かせない、ということでプロヴァンス伯の娘マルグリットを嫁にもらうことにした。しかしこの嫁もまた美人の南仏女で、陽気で派手好き。免疫のないルイ9世はイチコロで、嫁姑戦争が発生する。産褥が酷い王妃に王が寄り添っているときまで「用はないでしょ、さっさと仕事に戻りなさい」と退出させようとしたのだから。

ルイはこの時代にしては珍しく優しい男で、嫁と姑の間を行き来し、2人の間を駆けまわって取り次いだ。後に「天下の和解王」とヨーロッパから言われ、欧州に平和をもたらした聖王の片りんはここから始まったのかもしれない。しかし男はやらねばならない時が来る。

治世2年目の36年、ブルターニュとシャンパーニュが同盟して反乱を起こした。しかし王は先頭に立って反乱を鎮圧し、王家の威光を示した。しかしそれだけでは済まない。遂に南仏で、最後の火が燃え、王は最初の試練を迎えることになる。

下は多分左が嫁で中央が母いやいやいや

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。