ベルエポック49-バルセロナ万博のガウディ

1888年スペインのバルセロナで万国博覧会が開催された。バルセロナでは海岸にある立地を生かして繊維産業が発展した。さらに自由主義政権で修道院が没収され、市壁が取り壊されて町が拡張され、人が集まった。その発展の中心に居たのがグエイ家である。

エウセビ・グエイはビジネスだけでなく、文化事業にも熱心でパリ万博のときに見初めたのが建築家アントニ・ガウディである。そして83年、ガウディは当時は無名にもかかわらず、サグラダファミリア教会の建築を負かされた。まさかこんなに大きな事業になるとは彼以外誰もわからなかったろうが。

都市拡張によって労働者が集まり、冶金、電気、造船など近代工業がバルセロナで勃興し、黄金時代が訪れた。そしてガウディをはじめとして、「モデルニスモ」と呼ばれる建築家が活躍することになった。ガウディも86年からグエル邸を建設し、これは万博を象徴するモニュメントとして注目を浴びた。

バルセロナ万博は、スペイン統合以降低迷にあえぎ、反乱を起こしては王権によって鎮圧されてきたカタルーニャがついに復活を遂げたと町の人々は考えた。これ以降ピカソ、ミロ、ダリを筆頭とする革命的な芸術家をカタルーニャ地方は生み出すことになる。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。