第3回十字軍9-獅子心王キプロス征服

皇帝の予期せぬ崩御に「これぞアラーの加護」とイスラム軍はおおいに喜んだ。結局大将が居ないので大半は帰国してしまい、なんとか次男のレオポルトが6千人だけまとめて聖地に向かった。そして第2陣が英王リチャードと仏王フィリップの微妙なコンビである。

二人は領土から出発してイタリアはメッシーナで落ち合う約束をしていた。ところがその場所で英王には別の用事もあった。彼の妹が簒奪した現領主によって幽閉されていたのである。リチャードは騎士道が先にあってその上での十字軍である。当然許しておけず、戦いになった。

結局それで年を越してしまい、1191年今度は母アリエノールが自分の選んだ息子の婚約者を連れてやってきたのだ。実は英王は仏王フィリップの姉と婚約していた。母はそれはフィリップが英仏を乗っ取る計画と考え、十字軍中で結婚させられる前に先手を取ったのだ。

さすがにやってられず、仏王は別行動で先発してしまう。英王はといえば、妹と新婚約者を連れて出発した。ところがこの女性を乗せた船が進路を誤り、キプロスに漂着。現地王に捕まる。そこでまたリチャードは、許せぬ!とキプロスを征服。ついでに風光明美なこの島で新婚旅行もやっちゃったのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。