フランスの利点は射程の長いシャスポー銃と常備軍、対するプロイセンは動員力に勝る徴兵制度と元込めクルップ砲である。仏軍は、普軍の動員が終わる前に攻勢に出ようと、8月2日に国境を越え、ザールブリュッケンに侵入してこの地を占領した。フランス国内はベルリンへの一歩とおおいに湧く。
しかし準備万端の普軍は予想をはるかに上回るスピードで動員を達成していた。すでに国境付近に軍は終結しており。フランス占領地の南のヴィンサンブールからフランス領に侵入した。仏軍は侵入を発見できず、ヴィンサンブールの戦いに敗北、早くも戦争計画が崩れる。
仏軍はザールブリュッケンの占領を放棄し、国境近くのスピシャラン高台に布陣した。これに対して普軍は攻撃を加えると、仏軍は有利であったにもかかわらず、その後から普軍増援がやってくると勘違いして、この陣地を放棄して撤退してしまう、実に見通しの悪さである。
連携の悪い仏軍に比べ、普軍は動員がすすみ、さらにドイツ連邦軍まで加わってくる。フシュヴェエール=ワシュの両軍10万人を越える戦闘にも敗れ、セダン要塞に閉じ込められてしまう。皇帝ナポレオン3世は、この軍を救出すべく、シャロンで軍を再編成しようとするが、士気は下がりっぱなしだった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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