帝国の時代39-スペイン革命勃発

1867年4月26日、北ドイツ連邦が発足した。プロイセンと22の領邦からなるゆるやかな連合体ということだが、領土の大部分はプロイセンが占める。立法議会は普通選挙で選ばれるが、連邦参議院の同意が必要であり、この票は何と併合した領邦の分もプロイセンが持っていた。もちろん主席はプロイセン王である。

ビスマルクは北独連邦首相となったが、残る南ドイツはバイエルンを中心としてカトリックが強く、反プロイセンの気運が満ちていた。ビスマルクも、南ドイツとの統一は19世紀中にできれば神の恵みというしかない、と困難さを認めていた。しかしその神の恵みがやってくるのだ。

1868年9月18日、スペインでクーデターが起こり、女王イザベル2世は破れてフランスに亡命した。これはほとんど流血を見なかったので「スペインの名誉革命」と呼ばれる。女王は35年間スペインを統治したが、後年にはいろいろよけいな介入をして国民の不人気を買った。約170年間続いたスペインブルボン王朝はここで終わりを告げる。

この時期、なんと日本から軽業師が渡西しており、この革命に遭遇してしまう。この後見人である高野広八は「女王ゆえに、あまり細かなることを致しそうろう」と冷静に革命の原因を記している。ともあれ、この女王の後継をめぐる争いが普仏戦争の原因である。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。