この南北戦争の間に、メキシコではフランスとの戦争が勃発している。メキシコは1855年に独裁者サンタアナを追放し、57年に自由主義的な憲法を制定した。しかし教会財産の没収や先住民コミュニティの解体などの急進的改革を行ったため、各地で反乱が相次ぎ不安定となった。
ここでナポレオン3世に、メキシコ介入をそそのかす者が居た、メキシコに宣教に行っているカトリックのフランス移民、そしてスペイン女王イザベル2世である。スペインは、19世紀になってラテンアメリカ諸国が独立してすっかり落ちぶれていた。ところが逆転できる力がない。
実はナポレオン3世と結婚したウージェニー皇后はスペイン人で、熱心なカトリック。たいそうな美人だが、頭が良く気も強かった。彼女はメキシコを再び仏西が主導するカトリック国に戻したかった。さらにアメリカに植民地がほしいナポレオン3世は、南北戦争の間がチャンスだと思った。
61年にフアレス大統領は、米英に莫大な債務がありその債務不履行を宣言、英仏西が武力進攻した。しかしイギリスは債務問題の交渉がかたづくとさっさと撤退、スペインの内部も複雑で、女王の思うようにいかず、結局軍をひいてしまう。フランスだけが侵攻を続けることになった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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