第2回十字軍10-欧州の運命を変えた離婚

第2回十字軍は物的人的損害は全くたいしたことがなかった。しかし精神的にはヨーロッパ側にはかなりの混乱をもたらした。スゴスゴと帰ったコンラート3世は神聖ローマ皇帝になれず、その後もハインリヒ獅子公とグダグダを続け、国内はまとまらなかった。

祭り上げられてハシゴをはずされた聖ベルナールは、自分の責任と真面目に悩んだ。敗戦責任をテンプル騎士団のせいにした者もいるようだ。ルイ7世は、ローマに立ち寄って、ビザンチンへの不信をグダグダ言った。これが後のビザンチン攻撃の遠因にもなる。

ルイとアリエノールは、フランスに戻ってよりを戻した。ところが生まれたのは2人共女子で、国民も側近達も別の女性を願望するようになった。そんなとき1149年、愛しく思うアンティオキア公の伯父レイモンがヌールッディーンに攻められて死んでしまう。またしても彼女の傷が疼きだす。

1152年3月21日、ルイの城で宗教会議が開かれた。その会議では王、王妃とも「ロベール敬虔王の親等なのでこの結婚は無効」と結論づけ、離婚が成立した。そして離婚の条件として彼女はアキテーヌの領主に復帰した。そしてもう一つの条件は彼女の再婚を妨げないこと。実はアリエノールは恋に落ちていた。

下は仲睦まじかった時代?のルイとアリエノール

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。