48年革命7-第二共和制社会主義政策

フランス2月革命で生まれた共和制政府は、奴隷制を再び廃止し、借金返済の免除を行った。モンパルナス駅を作るなど公共事業を行い、社会主義者ルイ・ブランのアイデアで失業者8万人を雇った国立作業場をつくる。しかしこれはルイ・ブランの構想とは似て非なるものだった。

ルイ・ブランの構想は、銀行、鉄道、保険などの重要な部門を国有化して、ブルジョワの所有から国民所有に代えていくことだったが、自由主義のラマルティーヌ首相が承認するはずはない。しかし労働問題を扱うリュクサンブール委員会を設立することで妥協した。

委員会は10時間労働や労働請負制の中間搾取廃止に成功した。また労働争議の調停なども行い、保険制度もつくらせる。しかしフランス銀行の国有化や鉄道鉱山の国有化などの社会主義的政策は実現せず、かえって委員会は、ブルジョワや自由主義者から攻撃を受けることになった。

農村では、社会主義者が農地を取り上げる、妻子も共有化するなどのデマが撒かれた。社会主義者は4月16日大規模なデモを計画したが、政府は軍を動員して解散させた。普通選挙が告示されたが、4月23日の選挙結果は穏健共和派600、保守派200、革命派は60人と惨敗して、5人の執行委員からなる政府が発足した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。