第1回十字軍13エルサレム王国血の海に出ず

いよいよ始まった十字軍の聖都エルサレム攻撃。守備側は井戸を潰すか毒を入れたので、5日もすれば飢えと渇きに悩まされた。しかしジェノバから補給船が到着、若武者タンクレードが隠してあった木材を神の恵みで発見し、ようやく準備ができた。ジェノバは商売の権利が欲しかったのだ。

そして攻撃にかかる前に、十字軍は3日間、エリコをヨシュアが落とした聖書にちんで、鎧を脱ぎ裸足になり、3日間聖都の周りを聖歌を歌いながらまわった。これには城のイスラムもあっけにとられた。「なんて狂信的なヤツらなんだ」。その1000年後はキリスト教徒が言っちゃうわけだが。

攻城櫓2基を使い、十字軍はいよいよ攻撃を開始した。守備側は、アラブ名産の石油を浸した火炎ビン攻撃で、一基は壊したが、残りを守備の薄い壁に回して集中攻撃して、7月15日、城門が開かれ、十字軍はなだれこんだ。城内は略奪に晒され、「死体はピラミッドのように」積まれ、「血は馬の膝まで浸かった」という。

エルサレムからはイスラムだけでなく、東方正教徒も追放された。17日、聖墳墓教会に諸将が太守を決めるために集まった。アンティオキアで失敗したレーモンは、好感をもたせようと最初遠慮したところ、総大将のローレーヌ公ゴドフロア・ド・ブイヨンに決まった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。