19世紀前半はまさに音楽ブームであり、1842年に王立宮廷歌劇場のオーケストラとしてウィーンフィルハーモニーが誕生する。それよりも前の1828年にパリ音楽院管弦楽団が出来ていた。新興ブルジョア達は、音楽を趣味とし、ピアノを買って娘に習わせた、これは高度成長期の日本、そして今日の中国も同じである。
面白いことに、女性はピアノや歌を習い、小さなサロンコンサートの主役となったが、楽器を買ったのは男性だった。当時は職業音楽家も足らず、アマチュアの楽器演奏者がオーケストラに入っていた。そしてコンサートとなると、一族郎党を呼び寄せたのだ、これも今日でも行われている。
音楽家は今でも「根無し草」と言われる。しかし都市に楽団ができるともはや定職、定住者となる。そのための手段が定期演奏会であり、それを中心に、オーケストラを運営するための組織ができていく、これが新しい街の有力者の社会的ステイタスとなっていくわけだ。
18世紀は、演奏会とは主に作曲家の新作発表会だった。ところが定期演奏会ができると、過去の「古典」を演奏していくことになる。こうして「クラシック音楽」という名前が生まれ、古典作曲家は、どんどん持ち上げられ、その演奏を聴くこと自体がステイタスになっていくわけだ。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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