神聖ローマ12-マジャール禍を救った聖人達

ここで敵役として歴史に登場するマジャール人。元はウラル山脈南部に居たらしい、やはりアジア系遊牧民族。彼らはオノグル人と呼ばれていて、これがラテン語読みするとフンガルスになり、やがてハンガリーとなる。彼らはやはり民族移動で西へ押し出されカルパチア盆地に入り、アヴァール人に代わった。

彼らは騎馬戦闘系民族であり、そのまま西に行ってフランクに侵入した。イスラムもそうだが、フランク系はどうも騎馬に弱い。オットーに敗北後、カルパチア盆地で国をつくることになり、カトリックを取り入れることになる、そしてすぐ聖人王が出てくるのだがあとのお楽しみ。

この時代の「マジャール禍」の中では4人の聖人が居る。聖ヴィボラーダはスイスのザンクト・ガレンのはずれに庵をもった陰修女で、926年のマジャール襲撃の中で、修道院の書物をよそに避難させるよう助言、おかげで貴重な写本の数々が現代まで残ったが彼女は殉教。

アンデグスの聖ラッソはバイエルンの武人で、戦役で武功をあげた後、修道院を創建した。アウグスブルクの司教聖ウルリヒは、町を石造りの城壁で囲んで堅固にしてマジャールの包囲を耐えぬき、武功をあげ勝利に貢献した。レーゲンスブルクの聖ヴォルフガングは大胆にもマジャールの宣教に行った。

下はブダペスト英雄広場の7部族長像

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。