イベリア半島では、1812年7月22日サラマンカの戦いで、英西葡連合軍がフランス軍を撃破した。この戦いの指揮者こそナポレオンの宿敵ウェリントン公爵ことアーサー・ヴェルズリーである。彼は実は08年からイベリア半島の戦いに参加し、ポルトガル防衛で戦果をあげた。
ナポレオンが、ロシア遠征で手が回らなくなると、12年6月13日より、いよいよスペイン進撃を開始する。サラマンカはフランス軍の補給の拠点だった。マルモン将軍率いるフランス軍が、連合軍を攻撃しようとして行軍が延びると、ウェリントンは食べていたチキンを放り投げて、自ら伝令となり第三師団に攻撃命令したという。
マルモンは、イギリス軍が撤退途中と考え、後衛を叩こうと進軍したが、これはウェリントンの作戦で、山蔭に3個師団もの兵を隠していたのだった。後にワーテルローで、彼はこの作戦で、ナポレオン本人を破ることになる。
ナポレオン軍は、基本縦の突撃戦法だったが、ウェリントンはマスケット銃連射でこれを撃退し、弱ったところを騎兵突撃して大戦果を挙げた。イギリスでは「40分で4万の兵を破った」と評価され、ウェリントンの人気を上昇させ、彼は一時マドリードを占拠して侯爵に任じられた。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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