スペイン戦争では、1808年7月南のアンダルシアで、バイレンの戦いが起こり、フランス軍は2500人が死亡して1万8千人の兵が投降した。この仏軍は第二線の兵士ばかりで、デュポン将軍は完全にあなどっていたのである。しかし無敵のフランス軍の完敗は、スペインのみならずヨーロッパに知れ渡った。
この戦いの結果、ナポレオンの兄西王ホセ1世は、マドリードを撤退せざるをえなくなる。さらにポルトガルの反乱も激化し、イギリスは、王侯貴族でなく人民がナポレオンに反乱を起こしたと宣伝し、反撃のチャンスとばかりポルトガルに軍を送った。8月に上陸した英軍は、反乱と協力し、ロリーサの戦いで勝利した。
この敗北に、ナポレオンは自ら20万の軍を率いてイベリア半島に侵攻し、スペインの大半を奪回した。スペイン軍の士官達は正面からの戦争を回避し、各地に散ってフランス軍に小規模な戦闘を仕掛けていく、この戦闘を「小さな戦争(ゲリーリャ)」と呼び、現代に至るゲリラ戦の正式名称となった。
1809年元旦、ナポレオンはスペインを去った。フランス敗北を受けて、またまたオーストリアが、対ナポレオン戦争に動き出したのである。彼は「スペインは高くつく。そして私に何ももたらさない」と愚痴った。そしてイギリスが戻ってくる。その指揮官こそナポレオンを打ち負かすウェリントン将軍である。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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