ナポレオン9-シリア遠征大苦戦

1798年12月、第二次対仏大同盟がイギリス主導で結成された。今度はオスマンもロシアも入っている。ナポレオンは99年3月3日より、十字軍攻防の地ヤッファを攻めた。港は死活的に重要である。仏軍の降伏使者が惨殺されたため、攻撃を開始し、すぐ陥落させた。ナポレオンは報復として捕虜を惨殺した。

3月20日より、またまた歴史の町アッコの攻撃に移る。しかし今度はイギリス海軍がついており、すでに港は封鎖されており、仏軍は歩兵しか使えない。おまけに港の英軍艦の艦砲射撃に悩まされた。攻めあぐむ仏軍にペストが襲い、2千人の死者が出た。大同盟の攻勢で仏本国の情勢も悪化する。

フランスの総裁政府は、6月18日にプレリアール30日のクーデターで、3人の総裁が失脚して入れ替え。議会は共和派が躍進し、ジャコバン党が再結成され、またも反革命者の逮捕財産没収が行われ、強制徴兵が決定される。一方で、景気は悪く、国内は反乱直前だった。

ここで登場するのが、あの「第三身分とは何か」を書いた生臭坊主のシェイエスである。彼は「リヨンの屠殺人」と呼ばれたフーシェを警察長官に据えて、取締りを強化する。そして英雄ナポレオンを呼び寄せて、クーデターで自分が政権を握ろうとした。庇を貸して母屋を取られるのはわかりきってるだろう。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。