7月12日の日曜日、ネッケル罷免の知らせがパリに伝わった。ネッケルといえば、そのまま家族とスイスへ戻っただけだった。ルイ16世は、パリの治安を守るため軍隊を呼び寄せていたが、こうした状況から、議会に武力を使うのではないか、という噂が出た。しかし軍は集まり始めたばかりだった。
ミラボーは「武器を持ってこい」と言った自分のタンカに怯え、議会は国王に「武力行使はたいへんな結果を招く」と王に伝えた。国王は「パリが無秩序に陥っているのでやむを得ない」と答えた。実際パリは混乱しており、パリの衛兵連隊は秩序が保たれていなかった。
この頃、パリの下層民はパンの極度の欠乏に苦しんでいた。7月9日には、一人の召使女がネッケルの肖像に唾を吐いたということで、公衆の面前でズボンを脱がされ鞭打たれた。民衆は一触即発の状況にあった。国王は議会ばかり見ていたが、実は革命は違うところから発火するのである。
民衆の味方と祭り上げられていたオルレアン公フィリップは、実はヴェルサイユに無実を訴えに行っていたのだ。ルイ16世は、それをとりあげず、自分の館に戻るようにと言った。オルレアン公は、戻ろうとしたが、もはや遅く、パレ・ロワイヤルからついに暴動が始まる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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