1785年ラ・ペルーズ伯爵は、国王ルイ16世より海洋探検の任務を拝命した。国王となってから、ルイの理系的情熱は、とりわけ船と冒険に向かった。フランスではすでにブーガンヴィルが世界一周し、トレマレックが南洋諸島を発見していた。国王はダバンの蒸気船の研究にも援助を与えている。
彼の探検隊は、マゼラン海峡を抜けてからマウイ島に初めて上陸後、アラスカまで達している。さらに日本にも接近して、日本海に入って朝鮮沿岸を調査し、樺太に達して、宗谷海峡をくぐった。アイヌとも接触している。そして千島列島を探検してペトロパブロフまで行った。
ラ・ペルーズは今度は南太平洋へ向かい、サモア諸島からオーストラリアに行って、イギリス人に補給をしてもらった。そしてニューカレドニアやソロモン諸島まで探検するのである。しかしサンタクルーズ諸島で、彼の船は座礁したらしく、そこで消息を絶ってしまった。
ラ・ペルーズは、行く先々でルイ16世に手紙を送っており、王はワクワクしながら帰還を待っていた。彼がもし帰還していれば、ルイ16世の偉業としてPRできただろう。これもまた運の悪いことである。優しい理系国王はなんと処刑される直前にも彼らの消息を気遣ったということだ。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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