啓蒙の光20-最初の天然痘ワクチン種痘

天然痘の起源は人類が動物と一緒に集団生活を行って以来だという説が通説であるが定かではない。ともかくユーラシア大陸初のこのウィルスは、人の移動と共に東の果ての日本まで到着している。あまりに長い歴史があるので、集団免疫も人類は獲得して、ウィルスが変異するごとに、流行を繰り返した。

しかし免疫がなかったアメリカ大陸にヨーロッパ人が侵入したとき、天然痘は先住民に一気に広がり、人口が激減、アステカやインカを滅ぼした大きな要因だったと言われている。さらにフレンチインディアン戦争では、天然痘ウィルスのついた毛布を先住民に配って生物兵器とした例もあるようだ。

さて、その予防ワクチンは実はインドの聖典アーユルヴェーダに書かれているほど古い。これは人の膿を一年間乾かして接種する方法である。そして11世紀の中国でも、その粉を鼻から入れて予防に使っていたらしい。

この「人痘」は、オスマントルコでも行われ、同国イギリス大使夫人からイギリスに伝えられ、1722年には国王ジョージ1世の孫娘に接種されて、イギリスで行われた。しかし人痘は悪化する危険性があり、1798年にジェンナーが牛を使った種痘を発明するのである。ちなみに「免疫」の語源は義務を免れるというラテン語だそうだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。