1717年6月23日、ロンドンのセントポールズ・チャーチヤード近くのパブに数人の男が集まった。後に秘密結社として有名になるフリーメイソンの憲章をつくるためだった。もともとフリーメイソンというのは石工の組合。大聖堂を作るためには国が違う多くの者が集まるので、誓いや儀式が必要だった。
キリスト教は、新旧いろんな宗派ができてしまい、人々は分断されてしまった。フリーメイソンは宗派に関係なく、善良で自由な人間が集まる上流階級の秘密のサロンとして発足した。しかしそのために、入会には神秘的な儀式をしたというのが宗教と似ている。まるで初期キリスト教である。
このサロンは、フランスへは、イギリスを追い出されたジェームズ2世のジャコバイトがもちこんだらしい。サロンブームのフランスでは、その儀式性に魅せられて、貴族やブルジョアや文化人達が入っていった。表のサロンと違って、社会のきまりを越えた繋がりができたのだ。
ローマ教皇は、フリーメイソンの禁令を出したがあまり効き目はなかった。実際オーケストラのチケットを広める場となったこともあるようなので、政治秘密結社じみたことはなかったのである。ところがこの組織はアメリカにも広がり、その後の動乱に、国を越えた運動をもたらすことになる。
下はフリーメイソンの入会儀式
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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