アメリカ独立1-ハノーファー朝誕生

イギリスではアン女王崩御後、なんとドイツ人ハノーファー公ジョージが即位してハノーファー朝が誕生した。ジョージ(独語名ゲオルグ)1世は、30年戦争で領地を追われてオランダに亡命したフリードリヒ5世公妃エリザベートの孫にあたる。継承順位は58番目だったが、その他は皆カトリックだった。

1714年10月20日に戴冠式が行われたが、即位を妨害する陰謀も伝えられ、式が終わればすぐさまドイツに帰るつもりで、随員を100人しか連れず、洗濯女は1人だったことから野暮なドイツ人と悪評が立った。当人も英語がわからず、政治は首相にまかせ、君臨すれども統治しない王となった。

1715年の総選挙ではホイッグ党が大勝、そして敗れたホイッグ党の一派も加わって、あのジェームズ2世の子ジェームズ・フランシス・エドワードを担いで、ジャコバイトの蜂起が起こる。彼はもちろんカトリックである。新王はさぞやびっくりしたろう。

反乱が鎮圧されるや、英王はドイツに帰ってしまい、以後英独を行ったり来たり。19年にはここでも国債を引き受けさせた南海会社のバブルが崩壊して経済危機が起こり、王はまた帰英。事態収拾に敏腕を発揮したウォルホールがその後最初の首相となり、財政監査や公認会計士の発足となった。

下左はジョージ1世右は実質始祖エリザベート・スチュアート(ロンドンナショナルギャラリー展で日本に来てる)

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。