混迷のオスマン8-十字軍結成大トルコ戦争勃発

ウィーン包囲を失敗させたキリスト教国は、今度は攻勢に転ずる。1684年教皇インノケンティウス11世は、ひさしぶりに十字軍を提唱。ポーランド、ヴェネツィア、神聖ローマが同盟して皇帝レオポルド3世の義弟ロレーヌ公シャルル5世を総大将にハンガリーに襲い掛かる。

「大トルコ戦争」の勃発である。1686年にはブダペスト全域とハンガリー大半を制圧。トランシルヴァニアをも制圧した。テケリ・イムレは味方の寝返りにより逮捕失脚する。ヴェネツィアは海からバルカン半島に進出し、タスマニア、ボスニア、さらに87年にはペロポネス半島を制圧した。

ロシアもこの機をみてこの神聖同盟に加わり、クリミアハン国への戦争を展開する。まあ相変わらず宗教に名を借りた領土拡張戦争である。さすがにこうなると、オスマンでも騒乱が起こる。87年またもやイェニチェリが反乱を起こして何とスルタンメフメト2世が退位する。

オスマンはスルタン弟がスレイマン2世として即位。やはりキュプリュリュ家のファズル・ムスタファ・パシャを大宰相に任命して反撃を行った。しかしこのあと西欧では、またまた動乱が起こり、東方の戦いにロシアが進出してくるのである。

下はアルトモンテ作ウィーンの戦い

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。